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【読了】「謎」の進学校 麻布の教え

【読了】「謎」の進学校 麻布の教え

 

麻布高校って、中学受験をした人間にしてみれば、雲のまた上の学校で、よくその名前を覚えている。

麻布のOBという人にはさほどあったことがないため、あたまのいい学校という認識しかなかった。

50年連続東大合格者TOP10を記録し、年間80名~100名の東大合格者を出している学校である。

 

その学校について、書かれた本である。

よかった点については以下である。

 

まず、著者は、麻布中学・高校には縁もゆかりもない関西出身の方で、

主にこれまで高校野球を取材してこられ、良くも悪くも対象としての「麻布」を客観視できているとは感じる。

(私の知っている麻布の知識と変わらないレベルの知識のところから執筆をスタートしている)

 

次に、生徒、先生、校長、卒業生や、進学を希望する方々と相当数のアンケートをとっており、

その取材量は、多角的な視点を持って伝えられており、麻布という「謎」をみてやろうという

根性を行間からも感じ、本人の好奇心や楽しさも十分に伝わる内容である。

 

細かい内容は、本を買って読んでもらうのがベストなので置いといて、

要約すると、

他の超一流の高校と比べると、「麻布」=自由な学校であり、すべて生徒の自主性を重んじながら

青春を謳歌できる学校であり、そのような生徒が来るように、入試問題も考えさせる問題を必死に

教員が作り、その素質を最大限に伸ばす「人間教育」に重きを置いた学校である。

それを生徒はどう思っているのか?

教員はどういう気持ちで教えているのか?

今の時代に対応できるのか?

なぜそのような学校になったのか?

など、そこを解き明かしていく本であるが、一つ一つが実に面白い。

 

自身の幼少期の話に移すと、

私は、そこそこに勉強もしたが、どちらかというと

自由にのびのびと育ててもらい、空気のよめない人間であった。

 

努力を強いられた兄とは違い、自分で勉強して

楽しむタイプの人間であった。

 

 

何か、その幼少期~小学校の自分と照らし合わせ、

多分、こういう自分が「麻布」に行ったら楽しかったんだろうなと思わせる本である。

 

私は、麻布とはちがい、ガチガチの仏教系進学校に中学から行った。

その学校で感じたことは、

1 大半の生徒は、親の意志で中学入試したんだーという驚き

2 親の期待に沿わなくてはならないという子供ながらのプレッシャー

3 色々とタフな人間はいたものの全般的にひ弱な子がおおかったこと

4 とにかく金持ちがおおかった

5 目立つ=邪魔ものとして学校からは扱われたこと(そう受け取る教師が多かったこと)

 

とあり、人間教育と言いながらも

 ガチガチにかためまくることで、わりといい大学に行けるように教育するという学校であった。

 

そのため自身の卒業した中学・高校を、中学から入学した人間は、

 「大学に行ったらもっと青春を謳歌したやつがいて、そいつらが羨ましかった」

と言っており、その気持ちは今もよくわかるし、自身も強く思う。

 

ただ、自身が行った大学が自由の塊のような大学だったので、

中学・高校のギャップで、すごく楽しい大学生活を送れた。

とはいえ、一般的な人間に戻れるまでは卒業して10年以上の月日が必要だった。

 

うだうだと、読書感想文を書きながらも自身の思い出を書いているが、

 

この本を読んで感銘を受けた点として、

自身がもう一度「自由とはなにか 」と思い出させてくれたという点が大きい。

 

P44におもしろい記載がある。

「子どもって先天的にみんな好奇心を持っていると思うですよ。それが家庭環境の中で『これやりなさい、あれやりなさい』といわれる子どもは

自分の疑問をあとまわしにする癖がつく。」

との記載があるが、

(この本のこの記載は、麻布の子は、その好奇心をずっともった人が多いという話である。)

これは、大人子どもに限らず、押し付けは、単なる自己の抑制を生む、そう思えることが多い。

 

たとえば、プロゲームプレイヤーの「ときど」さんは、東大卒のゲーマーとして知られているが、

wiki情報によれば、麻布出身である。(そういう、自由な人間を育てる学校です。)

 

 

 

話はそれたが、

学校のことをよく書かれており、麻布という学校の魅力がよくわかる本である。

 

ただ、この本の記載に不足点もある。

 

昔の麻布は、自由な校風ではなく、学校が変わるきっかけになったのは、「高校闘争」で、

不正が暴かれたことで改革があったことという記載がある。

 

では、なぜ、その流れで「自由な校風」という方向性に進んだのか?

どうしてその選択肢をとったのか?

というその根本が書かれていないことが問題であろう。

 

とはいえ、

本としてはとても面白い。